近年、「都内のオフィスビルがテナント探しに苦労しているらしい」という声をお聞きすることがあります。
このようなオフィスビル需要の変化には、どのような背景があるのでしょうか?
今回は都心部のオフィスビル需要の変動について、現状や今後の展望について解説していきます。
都心部にあるオフィスビルの需要についての現状
現在、日本の都心部ではオフィスビルの空室率が上昇傾向にあります。
延べ床面積1万坪以上・1フロア300坪以上・築15年以内のAクラスビルにおいて、2021年~2022年の空室率を見るとこのようになっています。
●2021年第3四半期:3.3%
●2021年第4四半期:3.2%
●2022年第1四半期:3.3%
●2022年第2四半期:3.8%
●2022年第3四半期:4.0%
2022年は3期連続で空室率が上昇しており、2022年第3四半期は前年同期と比較して0.7ポイントの上昇となっています。
空室率4%の突入は2015年、第3四半期以来のことです。
これはコロナ禍によるテレワークの増加・定着、コワーキングスペース・シェアオフィスなどの従来と異なる拠点が増加していることが要因と考えられます。
オフィス需要の変動には地域差が見られ、国内主要7都市である東京・大阪・名古屋・仙台・福岡での減少傾向が顕著になっています。
オフィスの縮小、拠点を地方に移すといったケースが散見されることから、都心部の景気悪化につながっているのでしょう。
都心部のオフィスビル需要の今後はどうなる?
2022年以降、オフィスビル需要はどう変化していくのでしょうか?
日本の経済成長率は2020年に-4.6%まで落ち込みましたが、2022年には2.36%にまで回復しており、すでにコロナ禍が与える経済的影響は緩和されています。
しかしテレワークを中心とする勤務形態を導入する企業は増えており、働き方はコロナ以前と大きく変化しました。
働き方はコロナ後も定着し、「オフィスを拡大したい」というニーズは今後あまり期待できないでしょう。
都内でオフィスビルを抱える不動産会社では、テナント誘致のためにフリーレント(家賃無料期間)を延長し、実質的な値引きをおこなう動きも見られるようになりました。
また、コミュニケーション空間やブレーンストーミングの機会を設けたい需要に対して、週に1回の「曜日貸し」を取り入れるオフィスビルも開業しています。
用途を変えて戦略的に利用者を呼び込む動きは、今後も加速の一途をたどると予測されます。
まとめ
都心部におけるオフィスビル需要の減少は、今後も進んでいくと考えられます。
活用方法の多様化こそが、テレワークが増加・定着する時代を生き抜く戦略となるのではないでしょうか。
不動産購入の際には、不動産市場のニーズや情勢を見ながら判断していきましょう。
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